殺し屋の恋模奇譚

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「どうした」 「え、あ…いや…」 話し終えて少し口を開いてみれば、生唾を飲んでいる。男に興味あるタイプのようだな…レノが食べ終わってから会計を済ませて店を出てレノを見ればあからさまに俺をそういう対象として意識している。 「どこか連れて行ってくれ」 「い、良いのか!?まだ昼間だぞ…」 「何を言っている」 俺の言葉にハッとしたのか両手で頬を軽く叩いて深呼吸をした。別に思い浮かんだであろう場所でも構わないが、レノは俺の手に手を伸ばして指を絡めて手を繋いで歩き始めたのでついて行く。 特に行く先が決まっているわけでも無さそうで、ずっと手を繋いだまま歩いている。俺の先を歩くレノの首を見ながら、簡単に落とせそうだなと考えてしまう。 夕食はファミレスで済ませ、夜遅くにレノと別れて指定された道を歩く。誰も見当たらないが確かに気配を感じながら歩いていたが、人影を見つけ歩みを止める。 「いやぁ良かった人が居て。迷子になったんですが道を教えて貰ってよろしいですかね」 みすぼらしい細身の男がペコペコしながら歩み寄ってくるが、目は鋭く懐にナイフを忍ばせていそうな事はすぐわかった。俺の目の前まで来て懐に手を忍ばせた瞬間その肘をおさえ顎を殴ればよろめいた男はその場に倒れて痙攣していた。
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