殺し屋の恋模奇譚

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「そろそろ帰って報告しなければ」 「つ、ついて行っても良いか!?」 「好きにするといい」 帰れば店は開いていて、店内には金持ちそうなやつばかり居てレノの存在感は浮いている。 「お帰り。その子は誰かな」 御主人様はカクテルを作っていたが、俺はカウンターの中へと入り御主人様に事の顛末と先程の行為を伝えた。 すると御主人様は場違いな自分におどおどするレノを見て、ある事を伝えてきたので俺はレノの手を引いて店を出る。 人通りの多い道を人目も気にせず手を引いて歩く。同性同士なんて珍しくもない世界だし、俺達を見る視線は奇異なものを見ると言うよりイケメンを見れたと言ったような感覚に近い。 「ど、どこに行くんだ?」 「ホテル」 「え?でも嫌じゃないのか?」 「嫌?何がだ?」 「男にその…抱かれるの」 そう言われ、俺は立ち止まり困惑するレノを見つめる。 「俺が処女だとでも思って夢でも見てたのか」 「は、初めてじゃないのか…オルクスの初めて…欲しかったな…いやでも」 そこまで言って耳元で繋がりたいと言われた。なら何の問題も無いなとホテルへと連れて行き、空いている部屋を適当に選んで鍵を受け取り部屋へ向かった。 その部屋はそういう趣味趣向の人向けに玩具も用意されている部屋で、俺は構わず中へ入り電気をつけてベッドへ上がって服を脱ごうとしたら、慌てて止められてしまった。
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