春の手遊び

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愛おし恋し 厭わし小石 躓き 鼻緒の結ぶ縁 射干玉の夜に見遣るは愛しき瞳 揺れる影や 影遊び 踏み抜いた影は誰そ彼 影踏み 鬼子 花一匁 てんてんてんつく ちりとてしゃん せんば山の 鬼子が泣いてさ それを猟師が鉄砲で撃ってさ 可愛い鬼子を煮てさ 焼いてさ 食ってさ 母者が泣いたら 鴉が泣いた あの子の首をば 跳ねては帰せ からから下駄鳴る 兎の影絵 てんてん蹴鞠で春恋し 厭わし恋し 好いては()うて 春はあけぼの ささらと舞って 愛おし恋し 好いては追うて (あくが)れ 魂呼び 涙そぼ降る お前の影 粋に息して()くる春
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