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それからまたしばらくして、えーちゃんを見かけた。
「……えーちゃん？えーちゃんなの⁉︎」
声をかけるけど、えーちゃんは返事をしてくれない。
「えーちゃんってば！今までどこに行ってたんだよ！僕、心配したんだから」
「……さっきから、ぎゃんぎゃんうるせーなぁ」
——えーちゃんじゃない⁉︎
聞こえたのは、えーちゃんより低い声。その低さに驚いて、僕は思わず震えた。
「……だ、だれ？えーちゃんは、えーちゃんは何処に行ったの？」
「知るかよ。こちとらまだ寝みぃってのに、わめくなよ」
帰ってきてくれたと思ったのに、違った。
怖いのと、不安と、色んな気持ちがごちゃ混ぜで。
僕はとうとう涙がこらえられなくなった。
「うわぁぁぁん！えーちゃーんっ」
「あ、こら。坊主！泣くなよ」
「だって、だってぇぇー！」
「……だぁあ！っっとにガキは面倒くせぇ！」
そう言いながらも、低い声で「とにかく泣き止め。落ち着け」と、僕を宥め続けてくれた。
最初は怖かった低い声も、聞き慣れると落ち着いて。ようやく僕は泣き止んだんだ。
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