むずむず病

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 僕達は、仲良しで。  ずっとずっと一緒にいるんだと思ってた。  一緒にいる事が当たり前で、ある日いきなり『お別れ』がくるなんて、思わなかったんだ。  異変は突然やってきた。 「なんかさ、最近むずむずするんだよね」 「むずむず?」  えーちゃんの言葉に、僕は言葉を返す事しか出来なかった。 「なんていうか、そわそわするっていうか、今までにない感じ」 「何それ?全然わかんないな」 「うーん、ぼくも上手く表現出来ない。でも、なんだか『えいっ!』って飛び出したい気分」 「ええ⁉︎それは危ないよ」 「だよねー。でもなんだかそんな感じ……変だよね」  えーちゃんは、笑いながらそう言った。なんだかその様子がいつもと違って。そばにいるのに遠くへ行っちゃいそうだった。
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