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「先生の言うことは絶対だから」
を言い訳にして
淡い期待も込め
私は、誘われるままに
先生のマンションに食事を作りに行った。
マンションの入り口でインターホンを押して
エントランスの中に入る。
ガラス張りの広いエントランスの中央には
豪華な花のオブジェが飾られていた。
先生の部屋に行くと
全体がモノトーン調のデザインで
玄関もキッチンもどの部屋も広かった。
ワイン多めのビーフシチューを煮込んでいる間
温野菜のサラダを作り
フランスパンにバターを挟んで焼いた。
先生はテーブルに座って
時々料理している私に話しかけ
料理が出来上がると
嬉しそうに並んで食べた。
「次は、和食をリクエストしていい?
そうだな…
筑前煮と焼き魚とか?」
「…はい」
先生の話を笑いながら聞いて
短い言葉で返すことしかできない。
なんで
もっと気の利いたジョークとか言えないんだろう。
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