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♪……弱視で哀れな末娘。湿地で見えぬは命取り。奴隷なしでは生きられぬ。ウイとユジーは比翼の鳥よ。汚いユジーとくっつくよ……ギャハハハハ……♪
「ウイ様に近寄るな! バーカ、バーカ!」
「いいのよ。ユジー」
子供達に囃されても、ウイ様は凛として相手にしない。だけど僕だけは知っている。彼女が唇を噛んで涙を堰止めていること。
「ウイ様。僕は貴方の杖に、手足になって働きます」と傅いたら、彼女は僕を立たせてこう言った。
「いいえ。貴方は、私の心臓よ」と。
あの村に僕らを祝福してくれる場所は無い。だから加護を祈りにゆくのだ。例え死出の旅路でも構わないと指切りをして。
傷がしくしくと疼く。
サカウエの声が遠くなって、近くなる。
「ユジー。それが、貴方が祭壇を目指す理由……ならば友情のしるしに聞かせて差し上げましょう。なぜ私が此処にいて、姿を隠しているのかを――」
サカウエは滔々と語り始めた。
チャプン、チャプン、と水の音。
カツン、カツン、と杖の音。
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