偽りの私

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「えっ?」 理解が出来なかった。 「だから、偽りのお前じゃなくて本物のお前を見せてくれ」 本物のわた、、、し? 「ちょっ何言ってるんです、、、か?」 怖い、怖い。まるで心を読めるかのように話す悪魔が怖い。 「俺は悪魔だ、知らない事は一つもない」 「、、、。」 私は戸惑った。こんな感情は母が亡くなって以来初めてだ。 「、、、。で、契約っていうのは、、、。?」 「お前の願い事はあるか?」 願い、、、。 「私は、、、。誰かに、助けてほしい。」 「何故?」 何故?、、、。分からない。分からないけど助けてほしい。 そうじゃないと、、、。みんなが離れていってしまう気がする。 「分からない、、、。」 「だろうな」 「まあこれで契約はもうできる」 何を言っているのか分からない。何も聞こえない。何も見えない。目が真っ白だ。もういっそここで死んでしまえば、、、。
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