2人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや綺羅は無理だろ、対象外だよ。村の生え抜きも生え抜きだし、何代遡っても外の血なんてろくに流れてなくない?」
すっかり呆れ返って問題外、みたいな口振りがまたこっちの苛立ちに拍車をかける。
「それはさすがに、…諦めた方がいいんじゃん?お前だってわかってるだろ。村で生まれたって時点で器になれる目はないんだから。もっと他のこと目標にした方がいいよ。できたらまともに就職して、普通に穏やかな家庭を作った方がいい。インストラクターも兼業で、半分趣味くらいにしておけば」
「そんなのわかんないでしょ。村の外の女なんて、信用できないし当てにならないよ。現に柚季だって。結局黙ってさっさと逃げ出したじゃん」
つい頭にかっと血が昇って。あ、しまったと思ったけど、うっかり誉の前で柚季の名前を出してしまった。
案の定奴はちょっと不快そうに眉根を寄せてやや不機嫌な声を出す。
「その名前。…ここで出すのは。やめといた方がいいよ」
「誉も。…あの子がこの村にいつか帰って来ればいいと思ってるの。可能性はあると思う?」今朝美憂と話してた内容が頭にちらついて、誉『も』って言い回しになってしまった。
だけど奴はそこに特に引っかかった風でもなく、こちらに目も向けずちょっと投げやりにさっさと話を片付けようとする。
「さあ?…どうなんだろ。でも自分の意志で出て行ったんだから。普通に考えたら二度と戻っては来ないだろ。ご当主さまが行方を突き止めて何らかの手段で強制的に連れ戻しはしない限りは…。あの人たちがそこまでする気があるかどうかは。訊いてみないとわからないよね」
美憂と違って、無理やり攫って連れ帰りでもしなければ本人の意思で村に戻ってくることはないだろう、と考えてるわけだ。…まあ、そうだよね。
少し安心して気分が落ち着いたので、ついでに試しにちょっと尋ねてみた。
「あんたさぁ。もし万が一、柚季が村に戻っても。結局一緒になれる可能性はゼロなわけじゃん?いっそ、こっちから追いかけていって村の外、遠いところで落ち合おうって考えたことはなかったの。そうすれば少なくとも、二人きりで付き合って結婚して、誰にも邪魔されずに普通に暮らすことはできるよ。村の外の普通の人たちと同じやり方でってことだけど」
その台詞を耳にしてつい、とこっちを見た誉の眼球の表面が、ガラスか何かでコーティングされたみたいにやけに乾いて見えた。
「え、何言ってんの。…俺が村を出て行くとか、そんなわけないだろ。追浜は追浜、村は村だよ。どっちかしか選べないなら…、わかってるだろ?両者は結局どうしても相容れなかった。…それだけの話だよ」
はあはあ、と激しい呼吸の音が狭い個室の中で乱れ飛ぶ。それが自分のものなのか、凪さんと漣さんのどっちのものなのかも。…わからない…。
「あっ、あぁんっ。…そんなに、すごぉ。…いっ」
「恥ずかしいか。…こんなにいやらしい格好して、ぐしゃぐしゃに発情して。人間の雌だよ、お前は」
漣さんの嘲るような責め言葉も。擦られてる中やあそこに直に、じんじんと響いて。…ますます蕩けて。彼のを包み込んでる部分がひくひくって敏感に。…反応しちゃう…。
「あっんっ、もっとぉっ」
「ほんとに底なしだな。…散々中学生たちと、そのあと高校生ともやりまくったのに。やらしい顔して、腰振り過ぎだろ…。まだ足りないんだ。もうこうなったら。…大人の玩具の出番かな」
「あっいやんっ、そんなの…ぉ」
わたしは覚束ない動きでかくかくと首を横に振ってみせた。
「バイブとかローターなんて、いやぁ。…二人の、熱くて硬いあれじゃなきゃ。お二人のしか欲しくないの、ぉ。…直に生でそこに、突っ込んでぇ。何度もいっぱい…」
「それが、だから。…もう。しょうがないな」
破廉恥な姿勢で縛られて無理やり拡げられたそこに、熱く張り切ったものが直にぐい、と押し込まれて。わたしは多幸感で恍惚となった。
「あっあっ、いいっ。…凪さぁんっ…」
「そう何度も際限なく勃たないよ。仕方ないな、あともうこの一回だけだぞ」
「俺のもあと一回欲しい?…だったらお前がしゃぶって勃たせな。しっかり舌使え、ほら」
口を開けられされて乱暴に突っ込まれた。わたしは犬のように喜んでそれを受け入れ、夢中で漣さんのを舐め回して吸う。
今夜は中学生の集団のあと、高校生なりたての子たちも引き続き担当したけどやっぱり刺激が強すぎて暴走した性欲が止まらなくなってしまった。それでお二人に懇願して、こうしてわたしの身体で遊んで鎮めてもらってる。
ぱんぱん、と下半身同士が激しくぶつかり合う音が鳴り止まない。有無を言わさず口いっぱいに突っ込まれたそれといい、荒っぽく掴まれて胸や敏感な部分を揉みしだく手つきや指遣いといい。
何となくだけど、ステージの上で柚季を弄んでたときに較べると。なんか粗いというか乱暴というか、優しさや丁寧さがあんまりないような気が。…だけど、あれは処女相手の人前でのパフォーマンスに過ぎないし。今のこの状況と比較するのもおかしいし、とそんな考えを頭の隅へと押しやる。
最初のコメントを投稿しよう!