第13章 信田綺羅

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『…はい、そこまで。きりないから、程々のところで一旦おしまいにしてね。だいぶ時間オーバーしてるから。急いで身支度して帰る用意しなさい。みんな家の人、心配するよ』 平気だよなぁ、うちの村で夜遅くなって出歩いてても別に危ないことなんかないじゃん。と言い合いながら名残惜しそうに切り上げる男の子たち。わたしの中を絶えずいっぱいにしてたそれがぬぽん、と抜かれて行為が中断され、切ない物足りなさに打ち震えて小さく呻く。…この中で一番今、これをやめたくないのは。もしかしたらわたしなのかも。 それでも一応年長だし、インストラクターだし。駆け出しだけど、と何とか理性を奮い立たせて表面を取り繕い、彼らの身支度を手伝って送り出す。 「キラさん。…またね。今度はもっと、頑張るから」 「次が待ち遠しいっす。…早く順番、また回って来ないかなぁ。明日でもいいのに…」 口々に未練がましく別れを惜しむ言葉が飛び出してきて、あまりの微笑ましさに思わず笑ってしまった。 「そんなすぐには無理だよ、あとがつかえてるから。…でも、ありがと。すごくよかったよ、わたしも」 部屋を出て行き際にそれぞれ交替でわたしを抱きしめ、唇に熱烈なキスをする。どさくさに紛れて胸を弄ったり、脚の間に指を入れてきたりするのでまた刺激されて奥がじんわりと切なくなり始めた。 「やれやれ、やっと終わったか。…まだ試運転だからしょうがないけど。ちゃんと場を仕切れないと駄目だよ、インストラクターとしては。してる最中はもちろん自分も愉しんだ方がいいけど。夢中になって子どもたちと一緒になって溺れて流されてたら、収拾がつかなくなって結果めちゃくちゃになるでしょ」 子どもたちを送り出したあと、ご当主さまたちが二人して相次ぎ部屋に入ってきた。 水を飲ませるのは忘れなかったのは偉いけど、相手は中坊なんだから。別に何も最後までさせなくていいんだよ、と凪さんがぶつぶつ言ってる。 本来は本番の性交デビューは十六歳になってから、なんだっけ。でも別に、十五で中に挿れさせてあげて何か不都合があるわけじゃなし。どうせ遠からず必要になる過程だから、これも教習のうちじゃない? 胸のうちでそう言い訳しながらもちょっと身構えた。けど、二人はそれ以上文句を重ねる気はないようだ。こうしてあえて介入してきたのも単にわたしが駆け出しだから、心配して様子を伺ってくれていただけらしい。 本当にこの人たち、優しいんだから。とうっとりとなりながら裸のまま恍惚と彼らを見上げる。 いつ見ても本当に素敵、二人していつも麗しくて自信に溢れてしゅっとしてて、常にかっこいいし。…子どもの頃からの癖で。この顔を見るだけでもう、あそこが。…たまらなく火照って、濡れちゃう…。 凪さんの後ろから入ってきた漣さんが、遠慮のない仲そのままに裸の状態のわたしをまるで気にする様子もなくずかずか近づいてきて、からかい気味にごく軽く頭を小突く。 「綺羅は身体も心もこの役割に打ってつけの素質だけど。あんまりにもセックス好きすぎるのが玉に瑕だよなぁ。すぐ快楽に溺れて流されちゃうんだから、危なっかしくて。…ちゃんとモニターしてないと、はらはらしちゃって任せらんないよこっちも。何だよさっきの歓びよう。中学生の集団に代わるがわるやられて、雄叫びみたいな声あげて夢中でへこへこ腰振っちゃってさ…」 文句を言いながら戯れにわたしの股間に指を差し挿れる。中のいいところを一発で探り当てられて、堪えきれず仰け反って喘いだ。 「あっあぁんっ、今だめ…っ」 「まだ余韻が醒めきれなくて敏感なんだな。これじゃ、誰に何されても抵抗できずにされるがままじゃん。危なっかしくて、このままじゃ帰せないか…」 「本当にもう少し自制心をつけないと難しいよ、綺羅は。まだ限度を知らない中高生がもっともっと、と求めて来ても自分が気持ちよければ何でも際限なく受け入れそうで。…君がよくてもそのあと祭事で当たる相手が困るだろ、それが当たり前の基準になっちゃうと。そういう意味では初心者が最初に触れる女体があまりに性豪過ぎるのも考えものなんだよね。…そういう意味では。やっぱ水底くらいが一番、適任なんだけど」 凪さんが思案するように嘆息するのが距離の割にやけに遠く聴こえる。もう、意識が。…漣さんが中と外を戯れに弄る指の感触にすっかり占領されていて。他のこと、全然。…考えらんないよ。 漣さんがわたしを弄るのをやめずに苦笑して凪さんに突っ込んだ台詞も。音としては耳に入ってくるけど意味がばらばらになって頭は把握できてない。…もう、それより。して欲し、過ぎて。 「凪、無理むり。この子もう全然聞いてないよ。…見ろよ、この惚けた顔。頭の中やることでいっぱいになっちゃって、何も考えられなくなってる。…こんなに夢中で腰振っちゃって。とんでもない淫乱だよね、根っからの」 大袈裟な聞こえよがしのため息がそれに続いた。
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