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蒼汰のスマホの画面には、瑠衣からのメッセージが新着順に並んで表示されていた。
「合格が難しい学校なんて受験しない方がいい」
「そういう考え方って、私は間違っていると思う」
「夢は大きく! 目標は高く! 自分の力を信じようよ」
「周りのみんなは無責任に言うよね」
「奇跡なんて起こるはずがない」
「でも、私はそんなことないと思う」
「絶対、志望校に合格できるよ!」
蒼汰は慌てて瑠衣に電話をかけた。
「瑠衣、ひょっとして、最後のメッセージから順に読むのか?」
「えへ! そうだよ! だって、このアプリのメッセージって新着が上に表示されるでしょ。だから、上から順に読めるように文を分けて送信したの!」
「瑠衣……やることが細かすぎるんだよ……」
「ごめんね蒼汰。私、振られたと思って、さっきまで泣いていたんだ……」
「ごめん……実は俺も振られたと思って……」
「ねぇねぇ、受験、合格したら二人でまたデートしようね!」
「あぁ、分かった。約束する。合格も、瑠衣とのデートも」
「うん。両方とも期待して待っているね! 蒼汰くん、大好きだよ!」
蒼汰は目の色を変えて、今まで以上に受験勉強に励むのであった。
< 了 >
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