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彼女は俺たちを見上げながら死んでいった。俺たち二人を嘲笑うかのように、優しい笑みを浮かべて。そしてすぐに笑顔が血で見えなくなった。彼女の人生は美しく消えた。俺たちは彼女の死に様を見て怯えた。俺たちが殺してしまった。今思えば罪を償う道を進めばよかったと思う。
だけど、俺たちはその罪から逃げた。
逃げなければ良かった。今でもこの事を思い出す度に後悔している。この選択が俺たちを苦しめることになるとは知らなかったんだ。
俺たちが彼女を殺さなかったら。
俺たちが彼女を殺した。
逃げている足を止め、追ってくる過去に正面からぶつかりたい。そして裁かれ、罪を償いたい。俺たちは罪を償わず正しくなろうとしなかった、残された悪、「残悪」なのだから。
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