セレクト

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ぼくは、この地に残るか、月の裏側に行くか選択を迫られていた。 「どうやら、月の裏にはツキがあるやつしか行けないらしいぜ」 悪友の口癖だ。 「月の裏には何があるのかな」 「何もねえよ。開拓者らが24時間ぶっ通しで働かされているらしいぜ」 「マジか」 僕は朝に出るパンとミルク、晩に出るみそスープをすすりながら、昼夜問わず働き続けていた。 寝るだけの部屋で倒れるようにベットに横になり、毎晩ぼやく。 「よし、今日もやった、よし」 眠りにつく前に毎晩、その日の総括で詩を口ずさむ。 【この現実はちっぽけな幻日】
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