第4話 お仕事

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(いや、意味が分からないんだけれど!?)  だって、お貴族様っていうことは、裕福なはずだ。空腹で倒れるなんて、思えない。  ついでに言えば、エインズワース伯爵家が貧しいというお話も、聞いたことがないし……。 「……えぇ、そうです」  彼、アシュリーさんが気まずそうに視線を逸らす。その姿に、私の涙が引っ込む。 「実は、俺、両親と喧嘩しまして」 「……はぁ」 「だから、逃げてきました。いわば、家出です」  ……うん、家出ね。理解したわ。だけど。 「……あの、アシュリーさんは、家出したことは?」 「これが生まれて初めての家出です」 「でしょうね」  もっとこう、家出っていうのは計画を立ててするものではないのだろうか?  そう思って、私はアシュリーさんをジト目で見つめる。彼が、頬を掻いた。 「俺、三男坊で末っ子なんです」 「……は?」 「なので、両親が過保護で。挙句、そろそろ結婚を考えろとうるさくて……」  ゆるゆると首を横に振ってそう言う彼。……うん、大体読めた。 「ご両親が出したお相手が、気に食わなかったのですか?」  オブラートに包もうとして、包んでいない言葉が出来た。  でも、アシュリーさんは特に気にした風もなくこくんと首を縦に振る。
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