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第2問 次に流行るスイーツは?
風邪ならすぐに治してくれそうな君の名前が好きだ。
「私は“ル”が好きよ、サ・ト・ル」自由奔放なルルが言った。
彼女は「好き」を語ることに躊躇がない。僕もたまにドキッとするんだ。まんまと君の魔法にかけられないよう、その点は日頃から充分に注意してる。
「私が言うのもなんだけど、“ル”の響きって素敵だと思わない?」
「え?」
「“ル”って、それだけで歌みたいでしょ」
「たしかに。くりかえしたら何かの曲みたいだ。ルールル、ルルル、ルールル」
「それって、『徹子の部屋』でしょ! そういうことじゃないの」
僕はどさくさに紛れて君の名前を何度も口にした。メロディーをつけて歌うように。しかも呼び捨てで。
自由な彼女がスマホを見てる。「ねぇ、次に流行るスイーツ食べに行かない?」
正直、甘いものは苦手だけど。君とならどこへでもついて行きたいよ。口には出さないけどね。
彼女のヒントが本題だったとして、クイズがまだつづいているなら…。
そのスイーツを一緒に食べるタイミングが絶好のチャンスだった。
彼女は「好き」を語ることに躊躇がない。それに、自由奔放で天真爛漫な性格だ。
彼女に先を越されないように言わないと。風邪ならすぐに治してくれそうな名前の、君が好きだ、と。
ねぇ、ルル。
風邪薬イジりをする人は嫌いかい?
僕は君が好きだよ。そりゃあもう、君の名前とおなじくらい好きだ。
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