第2話

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第2話

「平坂ちゃん、ぜんっぜん声出てないじゃん! きちんとしてよ!」  責めたてる女子たちに囲まれて、わたしは黙りこくっていた。  精いっぱい頑張ったうえで役立たずだってののしられるくらいなら、最初っから頑張らない方がマシ。『わたしは頑張ればできるんだ』って自分に言い聞かせることで、ギリギリ自尊心を保っていられるから。  逃げ場を作ってないと耐えられないような、弱い自分がキライ。でも、ムリなものはムリなんだ。
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