連還する記憶 ④

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
ところが、最初から、生命記憶とリンクしない、存在記憶があるのです。それは、どういう記憶なのでしょうか。 ずばり、生命記憶とのプロトコールである感覚にアクセス権をもたない記憶が、それです。 この種の記憶は、存在記憶のひとつですが、感覚へのアクセス権がないので、生体の五感、六感、7感…にリンクをはることができません。なので、油断すると、紐の切れたタコのように、どこかへ飛んで行って、なくなってしまいます。 たとえば、他人の存在記憶を自分のものにしようとしても、できません。自分の生命記憶と繋がっていないからです。 他人の考えを自分のものにしようとしても、できません。自分の生命記憶にアクセス権をもたず、リンクをはれない記憶ですから、自分が進化しても、自分の生命記憶は、その進化に同期できません。 ひと類は、常に進化しています。その進化に同期できない記憶は、ひと類と同じ時間を共有していません。 では、生命体と同じ時間と空間を共有しない記憶とは、どういう記憶でしょうか? もう、おわかりですね、それは観念の記憶、すなわち観念記憶です。 さて、ここまで三つの記憶について紹介しました。すなわち、 生命記憶、存在記憶、そして観念記憶の三つです。 次回は、三つ目の、観念記憶について、みていきましょう。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!