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三章 統合
1
後日、職員会議が予定どおりに始まる。
ユリア学園長を筆頭に、十名の教員が大会議室に集まっている。
私はリオン講師の隣に座って、ユリア学園長と蒼髪を眺めていた。
蒼髪が書記と議事を併合しているため、手元の資料はユリア学園長が配る異例の光景だった。
講師陣とは最低限の交流を取っていますが内面までは分からないので表情や声音で判断するしかありません。
しかし、判断に絶対はありません。
裏側でなにやら不穏な空気が流れてるはずです。
考えすぎや憶測でものは言えませんが、セントラル学園の理事長はユリア学園長に警戒の視線を向けていると感じました。
ただ、私はそのセントラルの理事長を真っ直ぐに見ることができませんでした。
セントラルの理事長挨拶など到底耳に入るものではありませんでした。
なぜなら、セントラル学園の理事長は、殺し損ねた私のヒリュウ《おっと》だったから。
心臓の音しか聴こえてこない。
息苦しさと冷や汗で私の思考回路も考えも支離滅裂でした。
私が名前を変え、魔術の基礎を師匠に叩き込まれている間に随分と年月は過ぎたいたように思います。
それでも現実に夫がいるという光景に冷や汗が止まりませんでした。
「大丈夫ですか?」
囁くようなリオン講師の声に言葉も返さず頷きました。
ここで退出しては、職員会議の内容が入って来ません。
踏ん張らなくては。
「アテネ講師」
何度、呼ばれたのか分かりません。
ただ、肩にリオン講師の手が触れたことで私は目を覚ましたのです。
会議は休憩に入った様子で、あちらこちらで各々の教師陣が集まっています。
「外に出ますか。内容説明に誰も納得できないとのことで一時休戦になったんです。次回は明日だそうです」
「すみません、内容を聞いてなくて」
「具合が悪いんですか」
「いえ、ちょっと」
「まず、外に出ましょう」
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