三章 統合

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2 リオン講師に言われるまま、外に出た。 外はいい天気だ。 「うちの理事長は、預かった生徒を戦場に送り込む気はないようですが、先方はちがうようです」 「やはり、戦力確保の提携だったのですね」 「はい。両方の生徒を合わせて千人。これからも増やすそうですよ」 「育成と戦の速度がついていかないというのに何を言っているのでしょうね」 「分かりません。ただ、面倒な個人面談は必要になってくるでしょうね」 「そうですね。参観日などできませんからね」 私は小さく息を吐く。 「話し変わりますけど、あっちの理事長さんと何か」 「え」 自分の口から飛び出した音に自分が一番驚く。 「あっちの理事長がたまにアテナ講師を見てたんですよ。なんだろうって思ってましたよ。多分、他の講師方も気づくくらいに」 「あ、そんなに」 あの人が、そんなに分かりやすい行動をするとは思えない。 けれども、リオン講師の言っていることに嘘はないようです。 「知り合いですか?」 「直球ですね」 「そうなんですね?」 「まあ、そうです」 「そうですか、どんな人物なんですか?」 「そんなこと聞いてどうするんですか?」 質問に質問で返した私にリオン講師は考えるように視線を落とした。 「千人の生徒をもう少し減らせればと思っています」 「それは、自主退学でも勧める気ですか」 「当たりです」 リオン講師は頷いた。 「呆れた発想ですね」 「うちの学園長は提案を呑むと思います。青髪教頭も同じく。統合までは滞りなく済むはずです。千人が千人、帝への忠誠を持っている可能性は低いです。俺だって嫌なんですよ。望まない戦に死ぬだけの人間を注入し続けるのは。数だけの戦がしたいならやりたいやつにやらせておけと思うんです」
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