三章 統合

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「そうですが、私も思うのですが」 綺麗事。 きれいごとであることは、私だって知っています。 仮に生徒が去ったあと、戦に巻き込まれないとも限らない。 それでも送り込むことをしたくない。 変な葛藤が、言葉を濁しました。 理事長があの人です。 権力で動かすことも造作ないでしょう。 「アテネ講師。あっちの理事長は、権力と金ですか?」 「ええ、裏がたくさんありそうで、ただひたすら信用なりません」 「相当ですね」 「リオン講師、あの人は金と権力。人のことなどまったく思いません。関係ありません、たとえ、この会議が決裂しても別の方法で狙ってきます。たぶん、あの人のことです。学園の繁栄より、別の目撃が必ずあると思っています。あの人が動いているうちは疑ってかかってください」 「心の片隅に留めておきます」 リオン講師が懐中時計をみて、会議室へと歩きだしました。 私は、私のことをもう少し語るべきだったかもしれません。 しかし、リオン講師を私のやってしまったことに巻き込むというのも違うと思いました。 それよりも、私のことに気づいてはいないないだろうか。 もし、気が付いたとしたら。 不安という気落ちが押し寄せてくる。
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