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「ショコ、下品で失礼な質問だね」
「いいよ、那智。具体的に言うつもりはないけれど、みんなに安心してもらえるように大まかに伝えると…そうだね、個人事業だけで年収は8桁に届いたということは言える」
「…1000万以上ってことか?」
「おかげさまで」
雅貴くんと姉の驚きの視線をにこやかに受け止めた翔貴に
「翔貴…一人ですごく頑張ってお仕事したんだね…尊敬するよ」
そう心から伝える。私もスペアから脱却したい。
「茶子にそう言ってもらえると嬉しい。でも頑張ってるのは茶子もだろ?ずっと、ずっと頑張って頑張って…な?頑張り過ぎだよな…茶子」
繋いだ翔貴の手が一瞬震えたように感じたところで
「結婚って…茶子はきちんとしたことは何も出来ないから無理じゃないかしら?」
母がそう言いながら父を見た。
「それなら…スペアだと言われても結婚は無理だったよね…」
「「茶子、チャコ、正解」」
思わず小さく呟いた私に両隣の二人がドンと私に肩を寄せるので、うわっと揺れる。
「きちんとしたことの意味が分からないけれど…仕事っていう意味ではないですよね?働いたことがないのは笙子だし…家事ってこと?俺、一人暮らししてたんで茶子が上げ膳据え膳が良ければ出来るし、小学生並みの家事レベルなら一緒にやるし問題ない。単発でも信頼できる家事サービスをマンションのコンシェルジュに呼んでもらえるとも聞いたから、必要ならいつでも利用できる」
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