episode 10ヶ月前

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「笙子の結婚が決まって…茶子も日隈のところとは考えてもいなかったが、反対する理由はないね」 「ありがとうございます、おじさん。茶子、俺と結婚して。絶対に幸せにする…二人で幸せになる。茶子の幸せの一歩は自由だ」 翔貴はわかって言っている。私の幸せが自由だということを。ずっと準備してくれていたことも分かる、でも… 「…結婚って…突然言われても難しい…」 結婚って好きな人とするんじゃないの?違うか…決められた人と結婚しても愛情が持てるようになるのか… 「知らない人でもないし、こうしてずっと手を繋いでいて嫌悪感もないなら、二人で仲良くやっていけると思う。何より俺は茶子のことが好きだからね」 「たぶん…翔貴は私の気持ちや考えをよくわかってくれているんだよね…その信頼感はある」 「嬉しい」 「僕は翔くんがずっとチャコのこと好きだって知ってるよ。今すぐに結婚しても絶対に後悔しないよ、チャコ」 「あらあら、那智くんの声援は心強いわね。茶子ちゃん、翔貴と一緒に暮らしてみる?」 「それではダメなんだ、母さん。俺は茶子と結婚したい」 一緒に暮らすだけではダメだと強く言う翔貴を頼って、信じて、甘えてもいいかな、と小さく思えた。 「翔貴…結婚する…よろしくお願いします」
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