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それぞれの妻にも許嫁の話をすると、どちらもとても喜んだ。
そして記念にと9人揃って日隈家で食事をする席で、日隈の妻、玉美が不安そうに言った。
「おめでたい話だけれど、この時代…子どもを育てるにも不安が有りすぎるわね」
「その気持ちはよく分かります。事件、事故でなく身近な風邪なんかが脅威になったりするんですもの」
野田の妻、依子も腕の中で眠る那智を見ながら大きく頷いた。
「私たちの子どもの頃には無かった危険があるのよね」
「ええ…無事に育ってくれれば…健康でいてくれれば、と思います」
「二人の気持ちは…本当にそうだね」
「そういう時代だと思うと、尚更、信頼出来る関係を子ども世代に作っておいてやることは大切だね」
4人の大人は広い部屋の真ん中で仲良くたくさんのカードを広げる4人の子どもたちを眺める。
「…万が一…万が一があっては困るけれど、雅貴に何かあればこの話はなくなるのね」
「そうなるな。ますます大切に育てようじゃないか、玉美」
「ええ」
「それはうちも、万が一、笙子が…ってことだ。大事に育てるよ、な?依子?」
「もちろん。もちろんですが…こうしてあの子たちを見てると笙子でなくて茶子でもいいのでしょうか?」
その一言に再び4人の大人は我が子たちを見た。
「家同士が結びつくという目的なら、茶子でも同じだね」
「それを言うなら、雅貴でも翔貴でもいいわけだ」
「あなた…あれこれと…そんな万が一は考えたくないわ。許嫁は雅貴と笙子ちゃんで決定でしょ?翔貴と茶子ちゃんはあくまでもスペアだわ」
「そうですね。そうやって大切に育てていきます」
この日から雅貴と笙子は日隈家と野田家を繋ぐ大切な許嫁、翔貴と茶子は大切なスペアとして育てられる。
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