episode 9ヶ月前

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「…」 きっと‘うん’と喉を鳴らしたのだと思うが、茶子は頷くだけで音は出なかった。その緊張感ごとしっかりと抱きしめキスをする。 片手にちょうど収まる茶子の後頭部を支えながら、数回唇の角度を変えてしっとりと重ね合わせると唇で唇を食む。柔らかさを堪能したあとで茶子の下唇をツーっと舌でなぞると彼女の唇が僅かに開いたので、もう一度下唇…先ほどよりほんの少し内側をツーっとスローモーションのようなスピードでなぞった。 開いた唇からにゅるりと舌を差し入れ彼女の歯茎をなぞり、舌を絡めとる。繰り返し…繰り返しねっとりと絡まり合ったあと舌を引くと、ゆっくりその舌に誘われるように…しかし躊躇いがちに茶子の舌が差し出され唇に当たるのを絡め取ると俺の口内に引き入れる。 何度も互いの舌を交換するようなキスを交わしながら、そっと彼女の胸に…肌触りのいいパジャマの上から触れてみると、茶子は脱力していた体にちょっぴり力を入れた。 「…茶子…このまま抱きしめて休もうか?」 耳たぶを食みながら俺がそう言うと、俺のTシャツをきゅっと握っていた手がぎゅっと首に巻き付いた。 「…大丈夫…翔貴…ごめん…ちょっと緊張してるけど…ぃやじゃないから…」
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