6959人が本棚に入れています
本棚に追加
「ブランチになったね…お仕事大丈夫?」
「大丈夫。ゆっくり食べてから始める。珈琲を淹れるよ」
「ありがとう。翔貴の方が珈琲を淹れるの上手なのよね…」
「そうか?」
チュッ…フライパンでパンを焼きながら、フルーツを切る私のこめかみにキスをした翔貴に
「ヨーグルト、出して」
とお願いする。
「オーケー」
キウイフルーツとバナナをカットしてヨーグルトにたっぷりと乗せ、冷凍のブルーベリーもパラパラと乗せる。それからクロックムッシュもどきをプレートに取り、ブロッコリーの粒マスタードとマヨネーズ和えを添えた。
「俺、このブロッコリー好き」
「簡単過ぎて何度も登場…ふふっ」
2、3滴の醤油が隠し味のこの和え物が、和洋中のメインを選ばず大活躍する1ヶ月だけど翔貴が気に入ってくれているので良かった。
姉と同じように料理教室に行った私が、おもてなし料理や飾り切りなんて毎日使う必要ないよね、と毎回思っていた結果、那智が言っていたように、お上品なお煮しめは私が作ると普通の筑前煮となった。だから今日のように‘もどき’のものも多いけれど翔貴は美味しいと言ってたくさん食べてくれるし、私もキッチンに立つのが楽しい。
「豪華だね。ありがとう、茶子。いただきます」
「珈琲、たっぷりで嬉しい。ありがとう、いただきます」
最初のコメントを投稿しよう!