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老舗コーヒーチェーン店‘cafe days’経営者一族 日隈(ひぐま)家 日隈貴史×玉美 当主夫妻 長男 雅貴(まさき)30歳 次男 翔貴(しょうき)29歳 京都発和装小物専門店‘野田屋’ 野田家 古くから東京を基点に経営を続ける分家筋 野田智×依子 当主夫妻 長女 笙子(しょうこ)29歳 次女 茶子(ちゃこ)28歳 長男 那智(なち)24歳 □日隈貴史と野田智は中学時代からの同級生。互いの結婚後も妻、そして生まれた子どもと共に交流を続けていた。 それぞれ二人の可愛い幼児を連れて会えば、次々と参入してくる新しいコーヒーチェーン店に流れる若年層を食い止めきれずに、まだ衰退とまでは行かずとも今後に不安が隠せない日隈と、京都の本家でももちろん東京でも和装は増えることなく、100年後に野田屋だけでなく家さえ残せるのかと不安が隠せない野田。そこに野田那智が生まれ、ふとアイデアが浮かんだ。 「雅貴と笙子ちゃんが結婚すれば、必ず両家は協力するだろ?」 「それはそうだね。仕事を縮小していくにしても互いに家のことは考える」 「那智君が野田屋を継ぐかどうかは分からないけれど、雅貴が相談に乗れる関係も築ける」 「ありがたいことだね、それは」 「雅貴と笙子ちゃんを許嫁として育てて行こう」 「信用のおける日隈のところだ。安心してお願いするよ」 「それはうちも同じこと。野田相手だから思い付いたことだ」
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