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01 夏野、ひとこと余計
「おーい、起きてください」
あーもう、うるさい。面倒くさい。机の上に伏している僕の耳元で災厄が騒ぎ始めた。
「だから、ちょっと起きてくださいってば。たぬき寝入りですか。わかっていますよ。今ちょっと油断したのか、肩が動きましたね。わたしの目は誤魔化せませんよ。ふーん。なるほど、なるほど。そちらがそういうつもりなら、わたしは今から樽井くん名義でピザ頼んじゃいますからね。あ、もしもしデリバリーをお願いしたいのですが」
いや意味がわからないし、学校にデリバリーでピザを頼むのも、匂いの強いものを教室内で食べられるのも迷惑なので是非ともやめていただきたい。と机に突っ伏したまま首を横に振れば、また「起きてください」の繰り返し。今朝、隣の席に越してきたばかりの彼女は、僕の想定をはるかに超えるほどうるさくて諦めの悪い変人でした。
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