33S

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小説 私は誰⁉️(33) 小山内教授がいる場所に着いた。 小山内教授は入口で出迎えてくれた。 遂に私は、小山内教授にお会い出来た。 だが、顔は記憶に無い。 皆さんが言う様に、上顎と下顎の噛み合わせが悪そうに見える。 「待っていたよ、水原君。私を覚えていないかい?」 と言われた様な気がした。 噛み合わせが悪いせいか、発音が悪い。 また、滑舌も良くない。 私は、今までの事の次第を全て話したかったが、それは結構な 時間を要する。 私達は、ビルの一室に案内された。 記憶を復活させるマシンは此処にはないと言う事だった。 私は、直ぐにでも記憶を復活させて欲しかったが、 小山内教授にも都合があるのだろうと思った。 それに、妹が気になる。 私は、妹の全てを未だに信じていない。 悲しい事だが、現在の私の偽らざる心境だ。 妹を、別の部屋に待たせ 私は、小山内教授に私の想いを全て話した。 小山内教授は静かに頷いていた。 そして、涙ぐんでいた。 私の想いを理解してくれたみたいで、嬉しかった。 研究所は此の場所から離れた所にある。 秘密の場所である。 小山内教授の話だと、僕には妹がいたと聞いていた。 それも血の繋がりの無い妹で、父の再婚相手の子供だと 僕が言っていた、と 小山内教授は語ってくれた。 彼女は本当の妹なのか? その可能性は大きくなった。 研究所に妹も来ても良いと、小山内教授は言ってくれた。 ただし、二人とも目隠しが必要だと言う。 妹も了承し、研究所に向かった。 五分ぐらい車で走ると、研究所に着いた。 研究所の中に案内された。それまでは、目隠し状態。 研究所と言っても、一室であり立派な椅子が置いて有る。 私の記憶には無かったが、懐かしい感じがした。 「此のマシンで水原君の記憶を復元する」 と小山内教授に言われた様な気がした。 他のスタッフは誰も居ない。 「先生、他の人は居ないのですか? 先生一人で、実験を行なっているのですか?」 「日本にいた頃は、君ともう一人で研究していた」 「もう一人いたのですか?」 此の言葉は、私にとって衝撃の言葉であった。 「その人はどうされたのですか?」 小山内教授からの言葉は、私の予想通りの言葉だった。
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