最終回B

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最終回B

小説 私は誰⁉️(36)(最終回B) それは、数人の男達に暴行を受けている映像だった。 私は、見知らぬ男達に拉致され、小山内教授の居場所を白状させられる為に暴行を受けたのだ。 目が覚めた時、改めて見たものは、私の脳裏に浮かんだ妹とは全く違う女の顔だった。 女は、私達にピストルを向けた。 脅しでは無い、本物の銃である。 今までの可愛いかった顔では無い、冷酷で残忍な表情を浮かべ言った。 「やっと、小山内の居場所を突き止めたわ。二人とも動かないで。 動くと此のワルサーP38が火を吹くわよ。 知っているでしょ。ルパン3世の愛用の銃よ。 もう少し経ったら、私の仲間が来るわ。 それまで、おとなしくして居なさい。」 「お前は誰だ?一体何の目的で私に近づいた」 「決まっているじゃ無い。小山内の研究をこちらの物にする為よ。」 「私の家族はどうした?無事なのか?」 「さあね、そんな事知らないわ。 今頃は、天国か地獄のどちらかにいるでしょ!」 と、今までの可愛いかった女とはまるで違う冷酷な女だ。 人間とは、これ程まで変わる物なのかと本当に怖くなった。 私の家族はもう居ないのか?死んでしまったのか? 激しい悲しみと同時に、女に対して怒りが込み上げて来た。 女が言った。 「水原を拉致した時、簡単に小山内の居場所を言うと思ったけど、 水原は小山内の事を教えることはなかった。 まさか、記憶が無くなるなんて。予想外だったわ。 苦労したのよ、水原の家族になり済ますのは。 水原の家族を拉致して、水原の情報を得たのよ。 妹さん、水原の事をお兄ちゃんと言うより、一人の男と見ていたわよ。大きくなったら、お兄ちゃんと結婚したいと思っていたと言っていたわ。でも、今となっては叶わないけどね」 と、馬鹿にする様な言い方をした。 「妹をどうした?殺したのか?」 「だから、知らないって言っているでしょ。 組織の誰かが連れて行ったから、知るわけないでしょ。」 数分後来たのは、数人の機関銃を持った男達が入ってきた。 全員、黒尽くめの服をきている。 ただ、機関銃の銃口が、女に向いていた。 此の男達は、教授が雇ったボディーガードの人達であった。 女は銃を下ろし観念した。 その後に訪れてきた、組織の連中も捕まえた。 小山内教授は女を見た時、以前あった妹と違う事が分かったと言っていた。 その事を私に告げずに、女を騙したのだ。 なかなかの策士である。 ボディーガードの人達は、前もって用意していたとの事であった。 事件は一応解決したかの様に思われたが、私の家族の安否が気になる。一体どこの組織に連れさられて行ったのか? わからぬまま、時は過ぎていった。 後味の悪い終わり方である。
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