11人が本棚に入れています
本棚に追加
最終回
41
母親は更に続けた。真実を聞かせる事が自分の務めの様に。
「そして、純子の想いが叶い二人は結婚したの。
子供が出来たのだけれども、三つ子を宿したの。
純子は子供の頃から身体が弱くて、お医者さんは『三つ子を産むのは、母体を危険にするから辞めた方が良い』と
言ったのだけど、純子は産む事を決意したのよ。」
その時、僕の目からも自然と涙が、滲んできた。
「赤ちゃんは無事に産まれたのだけど……………。」
と、涙は止む事もなく流れ落ちた。
母親は美乃さんから渡された、ティシュペーパーで涙を拭いた。
探貞事務所の宣伝用に作ったティシュペーパーが役にたっている。
私の本当の母親が自分を犠牲にしてまでも、私達三人を産んでくれた。本当に感謝の想いでしか無かった。
女性とはそれほど強く、優しい人達なのか!
と想った時に、僕の目からも涙が溢れ出てきた。
それと、同時に男に生まれて良かったと、安堵もした。
「俊夫さんも病院に来る時、急いできたのね。
交通事故で亡くなったの。……………。それから…………」
母親は思い出しているのか?少し間が空いてから話出した。
「赤ちゃん三人をどの様に育てていくのかを親戚で話あったの。
純子の父親は純子が高校生の時亡くなったの。
母親は、高齢でも無いのだけれど、病気が重く孫を引きとる事は出来なかったの。
俊夫さんの両親も経済的な理由もあり、孫を引き取るのが無理だったの。
私は、出来れば三人を引き取りたかったのだけど、‥‥
現実には無理だったの。
美乃のだけ引き取ったの。
男の子二人は、一卵性双生児で別々の家族と養子縁組をしたの。
その時の、日記がこれです。」
と言って母親は、僕に古い日記帳を差し出してきた。
そこには、私の養父母の名前と住所、修君の養父母の名前と住所も書いてあった。
そして、事の成り行きが、詳しく書いてあった。
これを見る限り、私達は三つ子に間違いは無いと確信した。
では、何故最初に母親は「おそらく」と言う言葉を発したのか?
疑問であったが、事が事だけに慎重に答えたのであろうと、思われる。
私達は三つ子であると確定した。
この事を、修君にも知らせなければいけない。
想い起こせば、三つ子の兄妹とも知らず、修君は美乃さんの事好きになり、ストーカー扱いされた。
美乃さんは僕も事を想ってくれて、僕は修君と美乃さんをカップルにしたいと想い、兄妹で三角関係を築いていた。
三つ子と知らずに、付き合っていたらどの様な事になったいたのだろうか?
この様な事が現実にあるのだろうか?
「事実は小説よりも奇なり」と言う言葉があるが、本当にあったら
と思うと怖くなるのは、私だけだろうか?
此の小説はここまでと致します。
読者の方は、「何これ⁉️」と想う人もいらっしゃると想いますが
このまま続けても、長くなるだけなので、此の続きは、続編で書きたいと想ってます。
ご精読有難うございました。
今後の、探偵 杉田公一の活躍にご期待ください。
どんな事件が待っているのか?いないのか?は
次回作のお楽しみとします。
では、またの機会を楽しみに。
「さよなら、さよなら、さよなら」
このフレーズご存じの方は、かなりのお年頃です。
最初のコメントを投稿しよう!