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ジュンナのその声や周囲のざわめきを聞いて、遅めの昼ご飯を食べていた沙羅が何事かと給湯室から顔を出す。
床の吐しゃ物を見て、状況を察し掃除道具を引っ張りだしてくる。
少し呼吸の整ってきた彼女にジュンナは「立てる?」と聞き、「医務室に行こう」と促す。
箒やら雑巾やらを持ってきて掃除をしようとしてくれる沙羅に、ジュンナは目線でありがとう、と合図を送る。
「ごめんなさい」と何度も謝る少女をなだめ、そのまま医務室へ連れて行った。
この時点で、ジュンナにはあらかた少女の身に何が起きたのか、およそ予想がついていた。
それは15、6歳の少女が経験するにはあまりに過酷で、許しがたいものだった。
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