ガーディアン・シスターズ

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   事情聴取は交代で後輩に任せることにしていたが、今回は男性に当たることがないよう、ジュンナ自ら事情聴取に及んだ。  これから彼女の傷をえぐる行為をするのだと思うと気が滅入る。  記憶から抹消してしまいたい出来事を、他人に、自分の口で、思い出しながら説明させるなんて。  ひとつの出来事に何度も傷つく意味がどこにあるのだろう。  「何があった?」  「何をされた?」  十文字にも満たない問いが、彼女にとっては刃物と化す。  これからその鋭い刃物を、まだふさがっていない傷の上に突き立てなくてはならない。  彼女の父親を捕まえるために仕方がないこと。  “彼女のため”     分かっている。  分かっているけれど。  「──……」  “彼女のため”という言い訳に、『本当に?』ともう一人の自分が問いかける。   (──震えている)  狭い取り調べ室の中で、ジュンナの目の前に座る15歳の少女は、自分の震える右手を反対の手で抑え込み、しかしその懸命に抑え込む左手もまた震えているのだった。
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