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「はぁ、ん、な、なかじょ……まって……」
「待てない。まだ足りない」
熱を孕んだ薄茶色の瞳が俺を見つめていた。その色っぽい視線に耐えられなくて、俺はぎゅっと目をつぶった。
「……ぅんっ……あっ――」
制服のシャツをまくられて、中条の手が素肌に触れた。
敏感な脇腹を、掌がなめらかに滑っていって、俺の体はびくんと過剰なくらい反応してしまう。
手は、どんどん上に登ってきて敏感なところを攻めていく。
ううぅ、これ以上は……ヤバい……。
「なかじょ……も、もう――うわぁっ」
突然、視界が反転し、中条と一緒にベッドに倒れ込んだ。
ぼふっという衝撃に驚いたけれど、どこも痛くはなかった。
「び……っくりしたー」
中条の腕の中、俺の口からこぼれたのはそんな言葉。
熱を帯びて反応しかかっていた体の中心部は、驚きと共にさーっと熱が引いていって事なきを得る。
た、助かったぁ……。
と思ったのもつかの間、中条がぎゅーっと腕に力を込めて抱きすくめられた。
「……中条……?」
「ん……、もうちょっとこのままがいい」
「う、うん……」
中条の着痩せする程よく厚みのある胸板に頬が当たり、とくとくとく、と聞こえてくる胸の音に耳を澄ます。それ以外の音は聞こえなかった。
幸い、母さんは俺たちと入れ違いで買い出しに出かけたから、もうしばらくは戻らないだろう。
この家には、俺と中条だけしか居ない。
うわ……。
好きな相手と誰も居ない家で二人きりとか、ヤバくないか。
しかも、ベッドの上で抱きしめられてるなんて。
これじゃぁまるで恋人同士みたいじゃないか。
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