ココルと仲間たち

2/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
 そこにいたのは、身体を羽毛に被われた鳥のような生き物。顔は人間の少女のようだが、手に当たる部分は翼になっている。彼女は『ハーピー』と呼ばれる魔物だった。 「ココル、おはよう。今日はずいぶんお寝坊さんだったわね」  ハーピーは、頭に響くような不思議な声でそう言った。  だが、ココルは不思議がる様子も怖がる様子もなく、むしろ笑顔でその魔物に駆け寄った。 「ジーナ、おはよう! ボク、そんなに寝坊した?」 「だって、お日様はもう、あんなに高くのぼってるのよ?」  ジーナと呼ばれたハーピーは、「仕方ないわね」といった表情でそう言い返した。言われてみれば、確かにもうすぐ真上へと差し掛かろうとしている。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!