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そこにいたのは、身体を羽毛に被われた鳥のような生き物。顔は人間の少女のようだが、手に当たる部分は翼になっている。彼女は『ハーピー』と呼ばれる魔物だった。
「ココル、おはよう。今日はずいぶんお寝坊さんだったわね」
ハーピーは、頭に響くような不思議な声でそう言った。
だが、ココルは不思議がる様子も怖がる様子もなく、むしろ笑顔でその魔物に駆け寄った。
「ジーナ、おはよう! ボク、そんなに寝坊した?」
「だって、お日様はもう、あんなに高くのぼってるのよ?」
ジーナと呼ばれたハーピーは、「仕方ないわね」といった表情でそう言い返した。言われてみれば、確かにもうすぐ真上へと差し掛かろうとしている。
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