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ココルはこの森の入り口で泣いているところを、リザードマンのキリルに拾われた。
時は『人間戦争』と呼ばれた時代。人間たちが己が領土を得るために戦い、やがて衰退していった時代だ。
人間は、それまで一番の勢力を誇る生き物だった。古の時代から生きるエルフやドワーフ。そして、魔物と呼ばれる異形の者たちの住みかを奪い繁栄していた。
しかし、ある時期から人間の数が減り始め、食糧難に陥った。人間は食料を得るために戦い、さらに数を減らした。
人間たちは魔物に襲われて絶えた訳ではない。自分達で滅亡の一途を辿ったのだ。
人間たちがいなくなり、大地は活気を取り戻していた。開拓された場所には少しずつ緑が戻り、濁った川はそのままでも飲める程の清流に変わった。
そして、そんな風に自然が戻っていく中、ココルは魔物たちの前に現れたのだ。
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