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ギラリと差す太陽に、私は眩暈がした。でもきっと、この眩暈は太陽のせいだけじゃない。
教室の窓際の1番前の席。それが私の居場所で、誰かがカーテンを開けたせいで直射日光が降り注いでいた。
「ねぇ、澪奈もそう思うでしょ?」
前から机に手を突き、私が逃げられないようにしてクラスメイトがにっこりと微笑む。そう思うかと訊きながら、望む答え以外を許さない姿勢に、私は曖昧に笑って返した。
昼休みはあゆみとご飯を食べる約束をしていた。あゆみは高校で初めて出来た親友と呼べる存在。チャイムが鳴ってすぐに教室を飛び出したあゆみの狙いは、すぐに売り切れてしまう購買のメロンパンだ。
「ちょっと、聞いてる?」
私が答えないのが気に喰わないらしく、クラスメイトは微笑む顔を崩さずに詰め寄ってくる。あーあ。なんでこんなことになっているんだろ。私もさっさと教室を出ればよかった。そうしたらクラスメイトに捕まることもなかったのに。
「えっと、なんの話だっけ?」
私がとぼけると、クラスメイトは意地の悪い笑顔に変わる。
「ほら、あいつ、休み時間もさぁ、スマホばっか見てニヤニヤしてさ、キモくない?」
体温が一気に下がるのを感じた。何を言っているんだろうと本気で思った。目の前のクラスメイトはポニーテールを揺らして、私にあゆみの悪口を強要してくる。
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