1.くだらない命

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冬の朝は嫌いではない。 拳で黙らせたとしても、どんな罠を使って陥れたとしても、絶望という言葉で言い表せないほどの状況に追い詰めたとしても… そんな俺を構ってすらくれないほど、一片の曇りの無い澄んだ青い空を仰いだ。それだけで、この最低な人生が幾らかでも浄化される様な気分に浸れるからだ。例え、右の拳が自分が「落とした」奴等の血に塗れていようとも。 黒塗りの高級車が静かに横に付けた。国産最高級のハイブリッドはとても静かだが、さすがに全く気がつかないなんてことはない。そんな呑気に浸っていたのなら、今この命は残ってはいないだろう。
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