3人が本棚に入れています
本棚に追加
冬の朝は嫌いではない。
拳で黙らせたとしても、どんな罠を使って陥れたとしても、絶望という言葉で言い表せないほどの状況に追い詰めたとしても…
そんな俺を構ってすらくれないほど、一片の曇りの無い澄んだ青い空を仰いだ。それだけで、この最低な人生が幾らかでも浄化される様な気分に浸れるからだ。例え、右の拳が自分が「落とした」奴等の血に塗れていようとも。
黒塗りの高級車が静かに横に付けた。国産最高級のハイブリッドはとても静かだが、さすがに全く気がつかないなんてことはない。そんな呑気に浸っていたのなら、今この命は残ってはいないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!