最後の私

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 けれど。  娘は、数年で「シングルマザー」と言われる立場になって。  当然のように、私に「息子達を預かってね」と言って来た。  私は、自分の子どもを育て、「親」としての責任を果たした。  それなのに、「娘の子ども」を預からないといけないのだ。  私がただ、「娘の母親である」、という理由で。  孫は、確かに可愛かった。  私も、娘が困っているならば、助けることは仕方がない、と思っていた。  けれど。  「仕事で疲れているのよ」と、休日にもうちに来て、孫達を置いていったり。  「どうして、トイレトレーニングを進めてくれないのよ」とか、「ひらがなの練習をさせてよ」とか、そんな注文を付けるようになって来た。  そのくせ、私が少しでも負担を減らすために、孫達にゲームを渡したら、 「何でそんなことをするのよ!」  と、かなり激怒してくださった。
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