最後の私

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 けれど。  「母親」ならば、それに耐えて当然なのだ。  世界が終わると言うのに、どうしてそんな苦行に付き合わないといけないのか。  世界が終わる時に、私の「命」も終わるのだ。  ならば、最後の時間ぐらい、自分のやりたいことをやって、自由に過ごしたかった。  私は、わくわくしながらテーブルに高級缶詰を並べ、バスボムと備え付けのバスローブを持って、バスルームに行こうとした。  と、その時だった。  サイドボードに置いたスマホが、着信を告げた。  画面を見ると、相手は娘だった。  条件反射で、つい何時もの様に出てしまう。 『もしもし⁉ 母さん、今どこにいるの⁉ 』  着信のボタンを押したとたん、娘の大きな声が耳に届く。 『息子達がゲームしたいって言っているんだけど! 今からそっちに行くから、ゲームの準備しておいて‼』
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