3人が本棚に入れています
本棚に追加
けれど。
「母親」ならば、それに耐えて当然なのだ。
世界が終わると言うのに、どうしてそんな苦行に付き合わないといけないのか。
世界が終わる時に、私の「命」も終わるのだ。
ならば、最後の時間ぐらい、自分のやりたいことをやって、自由に過ごしたかった。
私は、わくわくしながらテーブルに高級缶詰を並べ、バスボムと備え付けのバスローブを持って、バスルームに行こうとした。
と、その時だった。
サイドボードに置いたスマホが、着信を告げた。
画面を見ると、相手は娘だった。
条件反射で、つい何時もの様に出てしまう。
『もしもし⁉ 母さん、今どこにいるの⁉ 』
着信のボタンを押したとたん、娘の大きな声が耳に届く。
『息子達がゲームしたいって言っているんだけど! 今からそっちに行くから、ゲームの準備しておいて‼』
最初のコメントを投稿しよう!