発情期

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 だから、気がつかなかった。  眠りに落ちた自分の目尻に残されていた快楽の涙。それを、母を夢見て泣いたあの日と同じように、ルズガルが口づけで拭ったことを。 「おまえが〈神判の花嫁〉でなかったら……」  と、呟いたことも。
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