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「それが翠の父親である水神だ」 「「「··················」」」  そして、その融合の儀式で失敗した者達の末路が傀儡だ。  魂や神力の相性が悪ければ肉体と魂が癒着し、体内で神力爆発が起こり、全ての神力が消えた状態の生きた人形となる。  何故、神力が全てなくなっても生きているのかは解明されていない。  ただ、水神もその儀式に失敗していれば傀儡となっていただろう。  成功失敗はともかく、この儀式を受けた者の特性の一つに挙げられるのが、見た目美しくなる事だ。  決め細かな肌に澄んだ瞳、艶のある髪に儚げな雰囲気が特徴的。 「まぁ、水の場合は儚げどころか無駄に漢らしかったけどな」  ひねくれ者で口が悪くて負けず嫌いで足癖悪い。宴の際の恒例の火ノ神との喧嘩は手より足が出ていた。  海外諸国との戦の際は先頭を切って暴れ回る姿はまるで修羅の如し。  それがララの感じた水神の印象だ。  だからよくララは翠に対して父親に似ていると笑いながらよく言っていた。 「あ、でも翠と比べたら色気はあった」 「うるせぇよ」  何故そこだけ受け継がなかったのかと疑問に思う。 「悪い所ばっかり受け継いだんだな。可哀想」 「だからうるせぇよ」  融合した二つの水の神力は莫大に膨れ上がり、歴代の水神の中でも翠の父親が一番強かったのではないのかと言われていた。  治癒よりも攻撃に特化した技が多く、他の四神にも負けを取らない力だった。  頭も切れ、外交も得意で根が真面目で政務もソツなくこなして東の繁栄に貢献していた。 「西と南と大違いよね」  風美の言葉に誰もが頷く。  せめて己の王が仕事をしてくれれば部下である自分達がこんなに苦労する事はないと凱楽が便乗する。 「お前の仕事は俺の尻拭いだ」 「······全て終わったら仕事辞めます」  全力で止めてやると言われた。  
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