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 傀儡は見てくれだけは良く頑丈な身体だが、神力も力もない。  そこで東の水神の一族は「何かに利用できないか」と、傀儡の使い道を考えた。 「奴隷として国益の一部にしよう」  奴隷貿易を始める為に手始めに罪人達を次々と傀儡にする為の制度を作った。  特に傀儡というものは悪神にとって人気があった。  悪神に引き渡される傀儡の末路なんて考えても分かる事だ。 「·········」  初めて知った傀儡の歴史と水神の出生。  下手をすれば水神がその犠牲者の末路を迎えていたのかもしれないと考えるとやるせない気持ちになる。 「水の奴は即位後、直ぐに奴隷制度を廃止して傀儡作りも廃止させた」  奴隷貿易での利益が無くなると、水神の意向に反対する者も確かに居た。  それでも傀儡は悪しき風習であると水神の支持者達は制度廃止を強行し、水神が現在の間は奴隷貿易も傀儡もなくなった。  傀儡の作り方の研究は古き時代から行われてきたが、その逆の傀儡を人に戻す方法は誰も知らない。  だから、水神はその研究を始めた。 「北に寝返った連中は傀儡と奴隷制度賛成派の奴らだろう」  それを全て廃止した水神の事をよく思っていなかったのだろう。  北が東を潰す事を賛成派は加担し東の情報を渡し、東を火の海にさせた。 「と、まぁ俺の知ってる傀儡と東の歴史はここまでだ」 「質問はあるか?」と、ララが三人に聞く。 「「「·················」」」  シーンっと静まり返る空気の中で風美は手を上げる。 「魂と肉体の癒着って·····傀儡が死んだらその魂はどうなるの?」  神人の死後についての明確な事は分かっていない。  生まれ変わるという迷信もあるが定かではない。しかし、肉体から魂が抜け出せずに死亡した場合は本当の消滅を指している。死ぬ際に神力の欠片になる事もなく黒く朽ち果てそこに残るものは無だけだ。  
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