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「あら、ずいぶんと上手いじゃない。俊くん、ヒマならウチで手伝ってよ」
ママさんの言葉を苦笑いで返す。
「それから、ピーマン一個とマッシュルーム……はないからシメジでいいからしら。あとウインナーを切ってもらって」
ママさんの読み上げるレシピに通りに、食材をエマンセする。
「そして、フライパンに油を引いて、食材を焼き目が付くまで炒めるって書いてあるわ」
フライパンは無暗に揺すらない。食材もできるだけ動かさない。ここは、しっかりとソテー。
「焼き目がついたら、ケチャップを大さじ四、マヨネーズを小さじ二、みりんを小さじ二、醤油を小さじ一入れてしっかり炒める、ですって」
マヨネーズはコク出しか。醤油とみりんで日本人の舌に合う懐かしい味に。シンプルな配合だが、よく考えられているバランスだ。火を弱め、食材をフライパンの端に寄せてから、調味料を投入する。木べらで混ぜつつ、水分を飛ばす。よし、このくらいで十分だろう。ケチャップが黒ずみ始まる前に、食材とメランジェして火を止めた。
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