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そんな時、真奈美の高校進学の時期になって、父が急に
「真奈美も卓球部に入りなさい。だから俺が教えている高校に入りなさい。」
と言ってきた。父は家から徒歩3分にある公立高校でコーチをしていた。
その頃は姉の国体も終わり、結局、卓球女子の少年女子の部では3位と言う結果を出して終わっていた。姉は推薦で大学一部リーグに位置していた専修大学に入学が決まっていた。
そんなときの突然の父の言葉に
「なんで?私は音楽をやりたいしそれには卓球なんてやっている時間ないよ。もっとピアノの練習増やさないといけないし。」
そう答えた私に、
「卓球をしないならどこの高校も受けさせない。中卒で学歴が終るけど良いのか?音大に出してやる金なんてない。」
と言われた。
真奈美はまだ中学3年生だ。今ほど情報網が発達していなかった。PCやスマホで簡単にいろいろ調べること等できなかった。色々と父に反発する方法を探ることもできなかった時代だ。
父にそれ以上逆らうこともできず、心の中はもやもやと絶望でいっぱいになった。
「わかった。」
それだけ答えて、二階の子供部屋に行って泣いた。
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