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真奈美の母はとにかく気の強い女性だった。負けず嫌いでもあった。そして、真由美が通いたいと思っていたピアノ教室はその気の強い母の同級生の女性が教えている教室だった。普段はとても仲が良く、もう一人の同級生としょっちゅう店でも話し込んでいた。
母も本当はピアノ教師になりたかったのだが、家の事情で看護師を勧められ、看護師は嫌だからと何も資格を取らずに父に望まれて父の所にお嫁に来た。
母は真奈美を自分がなれなかったピアノ教師にしたいという夢を持っていた。だが、元、自分のライバルだった同級生に真奈美を教えてもらうのはプライドが許さず、嫌だったようだ。
ずっと真奈美の音楽を応援してくれていたのに手のひらを返したように、
「お父さんのいう通りにするのが一番いいかもしれない。」
と、真奈美の期待をあっさりと裏切った。
真奈美の神経は耐えられなかった。
真奈美はそれからしばらくの間、毛髪抜去をするようになり、頭皮から血を流している所を同級生に見つかり、保健室に連れていかれた。
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