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保健室の先生が真奈美の母に心の病院に連れて行く様促しても、気の強い母は、
「うちの子がそんな病気になるはずはない。」
と、言い切って、真奈美は結局のところ、半年ほどは頭のてっぺんがカサブタで血まみれの状態で学校に通っていた。
家で頭に手をやると母が見ていて手を思い切りひっぱたかれるので段々毛髪抜去は治まっていったが、真奈美の心には深い傷が残った。
そんな時も時である。
真奈美の姉の真子が、追い打ちをかけるように真奈美をある晩怒鳴りつけた。夜は母は小料理屋をしていたし、父は階下でテレビを見るか碁を打つ友達の所に行くかしている。二階の子供部屋の声は聞こえない。
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「ねぇ、小さいときからさ、私がピアノをやればピアノ。習字をやれば習字。それで全部追い越して言ってさ、私がどんな気持ちでいたと思うの?」
「その上今度は卓球までやるってどういうこと?また私のこと抜かしてやろうとか思ってるわけ?」
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