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そして、真子に怒鳴られたときには、真奈美ももう習字はやっていなかった。真奈美が中学2年生に上がる頃、教えてくださっていた先生が急死なさって、小さな町まで教えに来てくださる先生はいなくなってしまったからだ。
6年生で真子が習字をやめたのも卓球に専念するためだと親からは聞いていた。
そして、卓球だ。真奈美は自分から始めたわけではないが、姉の真子はそのあたりの理由は知らなかったのだ。真奈美がピアノをやめさせられたことも知らなかったらしい。
運動音痴で運動会のかけっこでいつも家族の中でも笑いものになり、他のスポーツも何をやっても上手くいかない真奈美がすでに日本代表で海外遠征に行っている姉を抜かせるわけがない。
真奈美は何も言い返すだけの気力がなく、ただ姉に言われたことに打ちのめされて泣くばかりだった。
姉は真奈美に言いたいことを言ったのですっきりしたのか、翌日の朝練習の為、そのまま真奈美を泣かせておいて一人でさっさと寝入ってしまった。
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