青春の入り口で

4/8
前へ
/62ページ
次へ
 片や、真奈美と言えば、分厚い眼鏡にぽってりとした体。女子から見ても可愛くない女子だった。  制服は寒い土地だったので、女子はスカートとスラックスを選ぶことができた。真奈美は上はセーラーカラーで下はスラックスを選んでいた。  お洒落な女子は寒くてもスカートだった。  真奈美は4組。その二人の男子は2組。そこで、その二人の男子の事を好きな、2組の女子たちからの嫌がらせを受けることになった。  わざわざ休み時間に4組まで来て、呼び出され、いったいどういういきさつで2組の男子とグループを組んでいるのか問い詰められた。  その頃はもう、クラブが始まって半年は立っていた。その間に真奈美と男子二人はかぐや姫のコピーに熱を上げ、真奈美がハモリかボーカルと、アルペジオ。男子がボーカルと、ピックで旋律を弾くという形でグループが上手く回っていた。   はっきり言って、恋愛感情は3人のだれにもなかった。3人ともギターが好きでその頃とても売れていたかぐや姫に入れ込み、どうやったらコピーできるかを耳コピで再現することに一生懸命だったからだ。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加