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姉の気持ち・ピアノとの決別
姉の真子は父親に無理やり卓球をさせられていた。
真子の青春は間違いなく卓球に浸食されていた。
真奈美や真子の住んでいた長野県で、真子が高校3年生の時国体が行われるからだ。高校でコーチをしていた父は、その時までに自分がコーチしている地元の高校の卓球部を国体で優勝するくらい強くしたいと言う思いを持っていた。
姉の真子はまだ中学に入る前から地元の温泉に置いてあった卓球台で、父のコーチを受け、真奈美が小6でギターをコードを沢山覚えた頃には、中学校3年生で初の日本代表のジュニア選手で、エジプト遠征に行くほど強くなっていた。
実家は店を経営していたので家族で出かけた事なんてなかったのに、初めての真子の海外遠征のエジプト遠征の時には家族そろって空港まで送っていった。
その後も中国遠征などに何度も行っているが送っていったのは最初の時だけだった。
姉の真子には卓球の才能があったらしい。ぐんぐんと強くなり、同じチームの人たちと一回りも二回りも離れてしまっていた。勿論練習も半端ではなくしていたのだが、そんなことは真奈美にとっては他人事だった。
真奈美は運動神経も鈍く、運動会でもかけっこはいつもビリだったし、元々外遊びも嫌いで家で本を読んでいるか、ピアノやギターばかり弾くようになっていた。
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