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プロローグ
俺は死んだ人が見える。
そう気づいたのは小学二年生の時だった。正確に言えば、死んだの面影がはっきりと見える。
俺はその面影のことを勝手に「幻影」と呼んでいる。
そしてその人の心の一部が読める。でも、全部じゃない。
どのような人が見えてどのような人が見えないのか。その区別の目星はついている。見える人の心にはいつも
「未練」つまり生前への不満みたいのがあったんだ。
これから話すのは俺が高校生の時に体験した物語だ。
二度と俺みたいなことを体験しないように、聞いてほしいんだ。
俺と同じ能力を持つ、君に。
目の前でポツンとたたずむ少年に話しながら、一度心の中に閉じ込めた記憶を掘り起こしていった。
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